目がかゆい!カラコンなどコンタクトレンズによる「アレルギー性結膜炎」の危険性と治療
目がかゆい!
カラコンなどコンタクトレンズによる
「アレルギー性結膜炎」の危険性と治療
カラコンユーザーが気をつけておきたいアレルギー性結膜炎
カラコンを使用している方にみられる目がムズムズして我慢できないかゆみの症状。これは「アレルギー性結膜炎」の可能性があり、カラコンをそのまま使用したり症状を放置したりすると悪化してしまう眼障害です。ここではアレルギー性結膜炎の主な症状や原因、治療法に関する情報とカラコンを使用する際の注意事項をあわせてご紹介します。
このページの目次
こんな症状に注意!アレルギー性結膜炎のセルフチェック
カラコンは目に何らかの異常があると、それを知らせるために様々な症状が出ます。アレルギー性結膜炎も目やレンズに症状が出るため、自覚症状をセルフチェックすることができます。
症状のセルフチェック
カラコンを使用していて、下記の症状に当てはまると感じた項目にチェックを入れてみましょう。
目のかゆみを感じる
目が充血する
涙のようなサラサラした水状の目ヤニが出る
目がゴロゴロしたような異物感がある
レンズがズレやすい
レンズが汚れやすい
上記のチェック項目で当てはまるところが多い場合は、アレルギー性結膜炎の可能性があります。アレルギー性結膜炎でよくある症状は「目のかゆみ」です。特にムズムズするような目の違和感や我慢できないほどのかゆみがある場合は、注意をしてください。
アレルギー性結膜炎を詳しく知ろう
ここでは、アレルギー性結膜炎はどのような目の病気なのか、発症する原因をご紹介します。
アレルギー性結膜炎とは?
アレルギー性結膜炎は、目の表面にタンパク汚れや花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着することで発症してしまう眼障害です。アレルギー性結膜炎になると、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜である結膜が炎症を起こしてしまい、目のかゆみなどの症状が出ます。最近ではカラコンをはじめとするコンタクトレンズを使用したことがきっかけで、アレルギー性結膜炎になってしまう方も増えています。
【参考サイト】アレルギー性結膜炎 - 目の病気百科|参天製薬
発症する原因
アレルギー性結膜炎が発症してしまう原因は、いくつか考えられます。
レンズの汚れ
カラコンのレンズは、指先の汚れ、雑菌、涙に含まれている脂質、タンパク質、ほこり、化粧品、タバコの煙など目に見えない汚れが多く付着しています。これらの汚れは時間が経つと性質が変わり、アレルギーの原因であるアレルゲンになります。特に、連続装用する2weekタイプやマンスリータイプのカラコンを使用する方は、レンズの汚れがついたまま使用することで発症する可能性が高くなります。
防腐剤などの化学物質
レンズに問題がなくても、目を潤すために使用する目薬やレンズケアするために使用する洗浄液を使うことでアレルギー性結膜炎になることがあります。これは、品質保持に使用されている防腐剤や目薬や洗浄液に含まれている成分そのものに対してアレルギー反応を起こす可能性があります。
花粉やハウスダスト
アレルギー性結膜炎は、カラコンを装用していなくても花粉やハウスダストの影響で発症することもあります。花粉が原因の場合は季節性アレルギー性結膜炎、ハウスダストが原因の場合は通年性アレルギー性結膜炎に分類されます。
アレルギー症状が出るしくみ
アレルゲンが付着し、アレルギー反応が起こると肥満細胞から「ヒスタミン」という物質が放出されてしまいます。この物質は、目の毛細血管や知覚神経を刺激してしまうため、かゆみや充血、目ヤニが出るなどの症状を引き起こします。
症状を放置すると「巨大乳頭結膜炎」になることも…
アレルギー性結膜炎の症状を放置すると、巨大乳頭結膜炎(きょだいにゅうとうけつまくえん)という眼障害を引き起こす可能性があります。巨大乳頭結膜炎は、上まぶたの裏側にブツブツとしたブツブツ(乳頭)ができ、アレルギー性結膜炎よりも症状を悪化させます。しっかりと治療をしないと、カラコンの使用を中止せざるを得ない状況になるため、アレルギー性結膜炎の疑いがある場合は早期治療を心がけてください。
結膜炎や花粉症がカラコンに与える影響とは
カラコンユーザーにとって大敵とも言える結膜炎や花粉症。カラコン装着時にどんな影響を及ぼすのか見ておきましょう。
花粉症がカラコンに与える影響
花粉症の症状のひとつに、目の不快感がありますね。裸眼でそのような症状がある上に、カラコンをしてしまうと、目にとっての異物の付着が重なりより反応が強まるようです。そもそも、カラコン自体も目にとっては異物。目がゴロゴロする時はあまり無理をせずにメガネにチェンジしましょう!カラコンを無理に使い続けることは、さらに症状を悪化させてしまうことになります。また、アレルギー性の結膜炎を起こしている状態でカラコンをし続けると、炎症が強くなって巨大乳頭性結膜炎に発展する可能性も。ここまでくると、まぶたの裏にブツブツとしたデキモノができ、コンタクトがずれたり外れたりすることもあります。
カラコンを付けるとかえって痛みが少なくなるのはなぜ?
アレルギー性結膜炎を起こしてしまうと、カラコンで目の刺激を強めるのはご法度です。でも、ソフトコンタクトレンズを付けると、かえって痛みが治まりラクになる人もいて、油断しちゃうこともあるそう。でも、これは絶対にNG!痛みが少なくなるからといって、カラコンを付けてしまうと、角膜への負担がより強くなってしまいます。カラコンによって痛みが少なくなるのは、カラコンが包帯のように目の傷を保護するような形になるという理由からですが、だからといってそれで傷が治るわけではありません。
花粉の多い時期は要注意
花粉が多く飛ぶ時期は、レンズを清潔に保つよう注意が必要です。目から入った花粉がレンズに付着すると、レンズが曇りかすんでしまします。見えにくいな、と感じた時は適切に汚れを取り除きましょう。もし、こすり洗いが必要な洗浄液なら、回数や時間が適切になるようにあらかじめ確認しておくことも大事です。
どうすれば治る?アレルギー性結膜炎の治療法
アレルギー性結膜炎はアレルギー性の眼障害です。そのため、カラコンを使用しながらセルフケアをする方法で完治させることはできません。また、症状を放置することによって角膜に傷や腫瘍ができ、後遺症をもたらすこともあります。カラコンを使用していて「目がかゆい」「充血する」「レンズがズレやすい」など、気になる症状が出てきたら早めに眼科を受診し、適切な治療を受けてください。
アレルギー性結膜炎の治療方法
アレルギー性結膜炎は、眼科への受診と治療によって改善されます。基本的に薬物治療を用いて、日常生活に支障がないように症状をおさえてくれます。
点眼薬
薬物治療として、炎症を起こす物質、かゆみや充血をおさえる「抗アレルギー剤点眼薬」や「抗ヒスタミン剤点眼薬」が処方されます。また、症状が重い、炎症が慢性的になると、より強力な「ステロイド剤点眼薬」が処方されることもあります。
内服薬
点眼薬だけで症状が改善されない場合は、内服薬として「抗アレルギー薬」が処方さたり、結膜に直接ステロイド薬の注射をすることもあります。症状が改善されない、または重症化している場合は、カラコンの使用を一時的に中止して治療に専念しましょう。
眼科医の指示に従って治療を受ける
眼科へ受診することにより、眼科医から治療について指示をもらいます。たとえば、カラコンを使用している方の場合なら、「レンズ装用前後に点眼薬、レンズ装用中は防腐剤フリーの人工涙液を使用してください」というように具体的な治療内容を教えてくれます。アレルギー性結膜炎の治療を受けるうえでは、必ず眼科医の指示を守って点眼薬や内服薬を使うこと、カラコンの使用方法に気をつけることが大切です。
カラコンを使い続けるために取り組んでほしい対策
アレルギー性結膜炎を発症すると、カラコンが使用できなくなるわけではありません。適切な治療を受けつつカラコンを安全に使えるようにするために、これらの対策を取り組みましょう。
かゆみがあっても目はなるべくこすらない
かゆみで頻繁に目をこすってしまうと、目の粘膜が傷つく恐れがあります。傷から細菌による感染症を併発してしまうこともあるので、なるべく目はこすらないようにしてください。
レンズは清潔に保つ
レンズの汚れがアレルゲンになることもあるため、常に清潔を保つことを意識しましょう。レンズのつけはずしをするときは石けんで手を洗い、十分にこすり洗いをする必要があります。また、レンズケースも繰り返し使用することで汚れが付着するため、定期的に洗います。下記のページでは、レンズを清潔に保つお手入れ方法を詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください。
使用前にチェック!カラコンを清潔に保つための正しいお手入れ方法
ワンデータイプの1日使い捨てレンズを使う
ワンデータイプのカラコンは、毎日新しいレンズに取り替えます。一方、2weekタイプやマンスリータイプのカラコンは、ワンデーと比べると連続装用することで汚れが蓄積されやすいです。アレルギー性結膜炎の治療を受けている方は、使い捨てで安全に使えるワンデータイプがおすすめです。
定期的に眼科医による診察を受ける
アレルギー性結膜炎の症状が落ち着いたから、もう眼科に行かなくてもいいと考えるのはNG。症状があってもなくても、目の状態を診てもらうため定期的に眼科を受診する必要があります。かゆみや痛みなどの症状を発症してから受診するのではなく、定期的に目の状態を確認するようにしておきましょう。
カラコンを使用するなら眼科に行こう!眼科に行く必要性と受診方法
症状がひどい場合はカラコンの使用をやめる
我慢できないほどのかゆみや充血がひどい場合は、症状を悪化させないためにも、カラコンの使用をやめてください。カラコンを再開する場合は、自分で判断するのではなく必ず眼科医に相談してから使用しましょう。
目のかゆみは放置しない!眼科の治療を受けてカラコンを正しく使おう
カラコンレンズの汚れや目薬と洗浄液に含まれている防腐剤などが原因で、アレルギー性結膜炎を引き起こしてしまいます。アレルギー性結膜炎は間違ったカラコンの使用方法やお手入れによって、誰でも発症する可能性がある眼障害と言えます。そのため、「自分は大丈夫!」なんて思わずに、目のかゆみなど少しでも気になる症状が出たら、放置せずに眼科を受診してください。
また、カラコンは、きちんと管理しないといけない「高度管理医療機器」に指定されています。安全にカラコンを使い続けるために、眼科で診察を受けたうえで目の健康管理をしておきましょう。
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